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ヴァシュロン・コンスタンタン「トラディショナル・トゥールビヨン・クロノグラフ」~

「トラディショナル・トゥールビヨン・クロノグラフ 」50本限定モデルが、新たに「コレクション・エクセレンス・プラチナ」に加わりました

ケースやリュウズ、ダイヤル、クラスプ、ストラップのステッチがプラチナ製の時計愛好家のためのタイムピース。「トラディショナル・トゥールビヨン・クロノグラフ コレクション・エクセレンス・プラチナ」は、トゥールビヨンとモノプッシャー・クロノグラフを組み込んだ至高のムーブメント、自社製手巻きキャリバー3200を搭載する50本限定モデルです。

最先端のテクノロジーを駆使して高貴な2つの複雑機構を組み合わせ、表示においてデザインと機能性ともに独創的なモデルです。この時計は、ケース径42.5mmのケース、リュウズ、ダイヤル、クラスプ、ストラップのステッチがプラチナ製で、キャリバー3200により駆動しています。メゾンの260周年を記念し開発されたこのムーブメントは、トゥールビヨンにより調速されるモノプッシャー・クロノグラフが組み込まれています。

これら2つの複雑機構は、信頼性、精度、使い易さを高めるために、技術的に最適化されました。完璧な視認性を備えたダイヤル上12時位置の大きな開口部にはトゥールビヨン、3時位置にはクロノグラフの45分積算計、6時位置にはパワーリザーブ表示が配されています。サファイアクリスタルのケースバックを通して、マルタ十字で飾られたコラムホイール、ラテラル・クラッチ機構、クロノグラフ針のリセット用の2つのハンマー、トゥールビヨン周りの歯車など、ムーブメントの特殊な機構を鑑賞することができます。緻密な仕上げにより独特な輝きをまとった「トラディショナル・トゥールビヨン・クロノグラフ 」は、機構の複雑さと審美的な美しさを兼ね備えます。

時計愛好家のためのタイムピース
ヴァシュロン・コンスタンタンは「コレクション・エクセレンス・プラチナ」コレクションにおいて、その最も希少で類まれなモデルを結集してきました。
限定モデルで提案されるこれらのモデルの特徴は、時代を超えても輝きを失わない高貴で希少な金属を採用していることです。2020年に発表された「トラディショナル・トゥールビヨン・クロノグラフ」が、あらたにこのコレクションに加わります。トゥールビヨンとクロノグラフ、2つの高貴な複雑機構を融合した自社製ムーブメントを搭載し、偉大な時計製造の伝統と機能的で美しいデザインを組み合わせ、フランクミュラー コピークラシックでありながら各機能を斬新に配置する独創的なタイムピースです。

ドーフィン型針、レイルウェイミニッツトラック、外周に縦溝の模様を刻むケースバックなど、「トラディショナル」コレクション特有の美的コードはしっかりと守られています。異なるのは、ムーブメントとストラップ以外の時計のすべての部品が、プラチナ950製であることです。

ケース、リュウズ、繊細なグレイン仕上げが施されたダイヤルと同様、そのクラスプもプラチナ950で製作されています。ダークブルーのアリゲーターレザーストラップのステッチまでも、プラチナとシルクを縒り合わせた糸を使用しています。

ダイヤル側には、12時位置にトゥールビヨンとそのマルタ十字を模ったキャリッジが配されています。通常ダイヤル下部に配されるこのタイプの調速装置としては、対称的な配置です。もうひとつ特殊な点は、3時位置にあるクロノグラフ積算計は45分まで計測し、6時位置には65時間までパワーリザーブを表示します。メゾンのデザイナーたちは、機能性と時刻の読み取りを最適化させながら、あらゆるバランスを微調整することで、美しさを高めています。

類まれな自社キャリバー3200
2015年、メゾンの260周年時に開発されたキャリバー3200の美しさは、シースルーバックから鑑賞することができます。この自社製手巻きキャリバーは292の部品から構成され、これほどの複雑さを誇りながらも、厚さは驚くべき6.7mmです。
1930~40年代にヴァシュロン・コンスタンタンの名声を築き上げた、クロノグラフにおける偉大な伝統が刻まれています。モジュール式構造ではなく、ムーブメントに一体化して統合されたトゥールビヨン調速装置とモノプッシャー・クロノグラフは、機能性の最適化を目指した広範な包括的な研究の賜物です。

まず最初に、このキャリバーのテンポを決定しました。2.5HZ(毎時1万8000回振動)のゆっくりとしたリズムで鼓動するこの調速装置は、スモールセコンド表示を付けたトゥールビヨンの美しい動きを主役にします。

次に考えたのは、時分針を中央に配しながらも、調速装置に最大の空間を与えることでした。そして、時計師たちは、トゥールビヨン・キャリッジ周辺の噛み合いの新たなシステムを開発しました。このより薄い設計により、メインプレートに開口部を設け、美しいトゥールビヨンの姿を見ることができます。外周には高い視認性のミニッツトラックが、調速装置と同等の精度で1/5秒までの時間の計時を可能にしています。フランジ部分にはミニッツトラックとタキメーターの1000目盛りが2重に配され、クロノグラフ作動後1分を使って時速(km/h)を計算することができます。

きわめて複雑な機構である一体型クロノグラフ機能も、新しく開発されました。機能を統制するコラムホイール搭載のこのモデルは、メゾンが開発した摩擦のテクニックを利用したラテラルクラッチを採用しています。この装置により、クロノグラフ作動時に起こりうるクロノグラフ針のぶれを抑制します。そして、「全てか無か的思考(オール・オア・ナッシング)」の名で知られる力学的な作動システムが搭載され、プッシュボタンに加わる圧力が不十分な場合はクロノグラフ機構と連結しないようにします。この厳しい基準を満たすために、最先端の機械加工を必要としました。

キャリバー3200の歯車はきわめて精密な歯形を備え、歯間のあそびは最大0.03mmです。また、計測精度のために、リュウズの中に設けられたひとつのプッシュボタンのみですべての機能が統制されるクロノグラフの針のリセットには、1つでなく2つのハンマーが配されています。

希少で貴重な50本限定モデル
これらの高い技術を駆使し、50本限定生産の希少で贅沢な「コレクション・エクセレンス・プラチナ」コレクションが完成しました。ケースと同様キャリバー3200は、細部まで緻密に最も高品位の仕上げが施されます。メインプレートはペルラージュ仕上げ、ネジを含むすべての構成部品はポリッシュ面取り仕上げ、そして、それらの側面はヘアライン仕上げとなっています。歯車が噛み合う歯形部分も同様に、微粒子が摩擦係数を増加するのを抑えるため研磨されます。ブリッジはコート・ド・ジュネーブ仕上げされ、入角を含め手作業で面取りされます。トゥールビヨン・キャリッジ上部の受けはミラーポリッシュ仕上げが施され、キャリッジ上横断する丸みを帯びたバーはそのカーブに沿って研磨されます。この繊細で緻密な作業だけで、職人は11時間を費やします。これらの仕上げ作業はキャリバーに完璧な美しさをもたらすだけでなく、その構成部品を腐食から守り、長きにわたり高い信頼を保証する役割を果たします。

直径42.5mm厚さわずか11.7mmのケースには、ダークブルーのアリゲーターレザーストラップが装備されます。クロノグラフ機能の表示のために、スティール製秒針、分積算とパワーリザーブの18Kゴールド製針はそれぞれブルー加工されています。時刻表示の時分針はホワイトゴールド製で、同じ金属で製作されたアプライド・インデックスと針の上を優雅に進んでいきます。

From Geometry to Artistry
ヴァシュロン・コンスタンタンのタイムピースは、部品が集まった単なる結集体としての価値を超えています。手書きのデッサン、幾何学的なデザイン画、そしてこれらを技術的に発展させ、形状、色、感触からなるひとつの世界が生まれます。巧妙な機構の複雑構造はデザインと融合し、緻密なディテールにより優美さが吹き込まれ、職人の巧みな技で感情を掻き立てます。メゾンが製造するタイムピースは、形状と数学の研究に基づきながらも、職人の才能を最大限に表現し、その魂のこもったエレガンスを感じ取ることができます。2つの高貴な複雑機構を融合させ、機能的で独創的な美しさを備えたこの新作が加わった「トラディショナル」のクラシシズムは、2024年のメゾンのテーマに沿って表現された芸術性という錬金術を見事に表現しています。

スタイル&ヘリテージディレクター、クリスチャン・セルモニへのインタビュー
――ヴァシュロン・コンスタンタンのキャリバー3200は、どのモデルに搭載されていますか?
『キャリバー3200はクラシカルな作りですが、その精度は1930~40年代の時計に由来します。その当時ヴァシュロン・コンスタンタンは、精密計時の分野において、懐中時計を通して名声を博していました。その上、これらの20年間で4072と4178両キャリバーにより、マニュファクチュールは手巻きクロノグラフにおける真正な基礎を築き上げました。これらのキャリバーを搭載した時計は、その信頼性と精度だけでなく、傑出したこれらのムーブメントの美しさも兼ね備えることから、瞬く間に一流の評価を得ました。これらのタイムピースは、時計愛好家たちが熱望する時計のトップリストに名を連ねています。優美なこれらの作品の中でも、2つのリファレンスは1970年代まで製造されました。ヴァシュロン・コンスタンタンを代表する≪クラシカルな≫クロノグラフの中でも、1955年に発表された「コルヌ・ドゥ・ヴァッシュ」も特筆すべきでしょう。非常に技術的なキャリバー492を搭載した時計、このリファレンス6087は、マニュファクチュールで初めて防水性能と耐磁性を備えたクロノグラフでした。今日でも、この時計のオリジナル/当時の作品は、その一風変わったデザインと希少性により人々を魅了しています。』

――ヴァシュロン・コンスタンタンで開発されたクロノグラフについて、歴史上の主要な事柄を教えてください。
『エネルギーの蓄積を必要とすることからデッドビートセコンドをクロノグラフの先駆けであるとすれば、この装置を搭載したヴァシュロン・コンスタンタン初の歴史的なタイムピースは、1891年のクオーター・リピーターです。その次に、メゾンのコレクションに記録される最も古い分積算計付のクロノグラフである1874年のハンターウォッチ、また1889年にブエノスアイレスの馬の愛好家に送られたスプリットセコンド・クロノグラフがあります。1917年には、アメリカ陸軍工兵司令部から分積算計なしのクロノグラフ懐中時計が数千個注文されました。これらは、酸化処理されたシルバー製ケースに収まり、当時革新的であったラジウム夜光により完璧な視認性を備えていました。この頃、ヴァシュロン・コンスタンタンはすでに、これらの懐中時計を腕時計に転換することを考えていました。これらのコレクションの最も古いクロノグラフ腕時計は、1917年の分積算計付ゴールド製モノプッシャー・クロノグラフです

――ヴァシュロン・コンスタンタンにおける「コレクション・エクセレンス・プラチナ」の位置付けを教えてください。
『2006年に我々がこのコレクションを発表した時、その意図はメゾンの新しい水準となるモデルを発表することでした。時が経つにつれ、この考え方は過度に視野を狭めてしまうと気付きました。「コレクション・エクセレンス・プラチナ」は新作に限らず、特殊な要素を備えるタイムピースにまで領域を広げました。つまりそれは、3針時計から最も複雑なタイムピースに至るまで、あらゆる分野においてメゾンを象徴するタイムピースであることを意味します。唯一の共通点は、高貴で希少な卓越した金属を使うことです。このコレクションのケース、リュウズ、4時と5時の間にシークレットサイン«Pt950»が刻まれた微細なサンドブラストとグレイン仕上げが施されたダイヤル、マルタ十字を模ったクラスプ、これらすべてがプラチナ製です。この非常に希少なコレクションは、時計愛好家に向けられ、メゾンの真正なシグネチャーとなっています。』

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